つぶやき始めました!

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* ドアをあけたとたんに、金切声が聞こえてきた。 「もう! なんでぇー。ああ、これも、これも、これも。みんな、シャケちゃん。シャケちゃん。シャケちゃんばっかりぃー! わたしが見てほしいのは、いくちゃんなのに!」 拓人は、かるい頭痛をおぼえた。 古都子が暴走し始めてる。 やはり、こんなことになったか。やはり……。 「ことさん。冷静にーー」 話しかけるも、古都子には聞こえていない。 「そうだ! シャケちゃんが写ってなきゃいいのよね。シャケちゃんが、いっつも、いくちゃんに、ひっついてるから。ごめんね。シャケちゃん。ちょっと離れててね」 古都子は郁のそばで、まったりしているシャケを、ヒョイっと抱きあげる。 とたんに、シャケは、あばれだした。 「にいっ。にーっ。ニーッ!」 「ああっ、ちょっとのあいだ。写真とるあいだだけだから。シャケちゃん! いい子にして!」 「にぃ……にぃ……」 うるんだような切ない目で、シャケは郁を見つめる。 シャケと郁のきずなは深いのだ。 シャケをひろってきた当初、一日中、ついて世話をしていたのが郁だからだろう。 あのときは、おどろいたものだ。 それまで、まったく無表情だった郁が、笑うようになったのだから。     
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