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けっきょく、思っていることは同じだったのだ。
「わかってる。郁のことが大切なんだね。ちょっと、やりすぎたけど。ほんとに、こまった人だ」
抱きよせると、古都子は拓人の胸で泣いた。
いくつになっても子どもみたいだが、すでに、この人も母親として成長している。
「ちゃんと、あやまれば、郁はわかってくれる」
「あやまるから、手伝ってね。もしも、いくちゃんが許してくれなかったら」
「大丈夫だよ。郁は優しい子だ」
だって、君の息子なんだからね。
そのあと、古都子は、ドアの前で、ふたこと、みこと、ささやいた。
カチャリーー
ドアがひらく。
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