揺れ動く

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2打席目か‥ そろそろ塁にでなきゃマズいな…。 すでに高森は投球動作に入っている。 あんまり得意じゃねぇけどしょうがねぇ… 石原さんが構えていたバットをバントの構えにする。 「サード!セーフティだ!」 即座にショートが叫ぶ。それと同時にサードが前に突っ込んでくる。 ボールはサードとピッチャーの間に綺麗に転がった。 しかもただのセーフティではなく絶妙なプッシュバント。 「…くッ!ショートッ!」 高森が言う前にすでに相手のショートが打球を掴んでいた。 「…ッ!オラッ!!」 ショートが送球する。 しかし…。 「セーフッ!」 ほんの僅かな差で石原さんがベースを踏んだ。 「ナイスバント隆ッ!」 ランナーは1塁でバッターは8番の大河さんに回る。 そして手堅く送って1アウトランナーは2塁。 『9番ピッチャー風神くん』 「いけぇ!護~!」 「西野に回せ~!」 風神さんが打席に入る。 ――――‥‥ ―――‥ 「初めてのピンチだな。正念場だぞ高森~。ここで抑えることができたら流れは完全に六強大付属にいくな」 手すりにもたれるよぉにしながら草夏が口を開く。 「逆にここで点をとらないと月影は厳しいな。まぁこの回トップに回るここが勝負だな」 「…ノブはどっちが勝つと思う?」 「まぁ…ピッチャーだけだと高森のほぉがいい。今まで何本か打たれたものの綺麗なヒットは打たれていないしな。月影は総合力はいいがピッチャーがな…」 バックスタンドを見ながら少しがっかりしたよぉに呟いた。 そこに記されていたのはヒット数10と言う数字だった。
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