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家に帰ると見慣れぬ靴が妙に綺麗に並べてあった。
――なんだ姉貴の彼氏か?
不思議に思いながら部屋に行こうとする。
しかし、いきなり首を掴まれる感覚。
そのまま、階段から引きずり下ろされる。
――また首かよッ!
今度は親父だった。
「お前にお客さんだ。すいませ~ん。今帰ってきました。」
父親はそう言いながら客間に入っていく。
――俺に客?しかも大人の?
おそるおそる居間に入る。
そこにはビジネスマン。
そんな感じの男が座っていた。
「やあ、こんばんは。」
その男は、ニコニコと人当たりのいい笑顔を浮かべる。
「はあ、どうも…。」
翔は不思議そうに前に座る男を見る。
どうやら姉貴の彼氏じゃないらしい。
しかも見覚えがない。
そんな20代前半くらいの男との会話が始まる。
「とりあえず自己紹介から、自分は大石千尋と申します。」
そう言ってその男は名刺を出してきた。
【私立月影高校野球部マネージャー大石千尋】
――野球部……マネージャー…。まさか……!
「えぇ~相沢 翔君。君にぜひ我が野球部に入って欲しい!」
――マジで……?
翔は目を見開いて驚く。
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