決断

2/5
前へ
/347ページ
次へ
家に帰ると見慣れぬ靴が妙に綺麗に並べてあった。 ――なんだ姉貴の彼氏か? 不思議に思いながら部屋に行こうとする。 しかし、いきなり首を掴まれる感覚。 そのまま、階段から引きずり下ろされる。 ――また首かよッ! 今度は親父だった。 「お前にお客さんだ。すいませ~ん。今帰ってきました。」 父親はそう言いながら客間に入っていく。 ――俺に客?しかも大人の? おそるおそる居間に入る。 そこにはビジネスマン。 そんな感じの男が座っていた。 「やあ、こんばんは。」 その男は、ニコニコと人当たりのいい笑顔を浮かべる。 「はあ、どうも…。」 翔は不思議そうに前に座る男を見る。 どうやら姉貴の彼氏じゃないらしい。 しかも見覚えがない。 そんな20代前半くらいの男との会話が始まる。 「とりあえず自己紹介から、自分は大石千尋と申します。」 そう言ってその男は名刺を出してきた。 【私立月影高校野球部マネージャー大石千尋】 ――野球部……マネージャー…。まさか……! 「えぇ~相沢 翔君。君にぜひ我が野球部に入って欲しい!」 ――マジで……? 翔は目を見開いて驚く。
/347ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1775人が本棚に入れています
本棚に追加