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最近の高校生っていうのはさ、受験の時にラインのアドレス交換して、入学式の時には、もうグルーピングされていて、3日もすればクラスラインで全員の自己紹介が完了している、って知ってた?
そんな超光速情報社会に自分がついて行けるわけがなく、モタモタしているうちに、クラスライン内では、春合宿のグループ分けの話まで持ち上がっていた、らしい。
クラスには40人の生徒がいて、そのうち30人が男、10人が女。
でもって、ラインにあぶれている男が3人、女0人。女子ってすげぇ。
貴重なこの3人にモブの自分が入っているなんて。
その他大勢じゃないのは、この時が初めてかも。
この時期になって、初めて委員長が『あれ、全員じゃなくね?』って気づく。
どこにでもいるんだよね。
影にいる人に手を差し伸べる、ナイチンゲールみたいな学級委員長。
しかも、2人。1人は成績優秀、故に先生から無理やり任されてしまったちょっと気の弱い系の女子。
もう1人は、クラス一斉スタートで行われるカースト構築において、あっという間に頂点に上り詰め、お前しかやる奴いねぇじゃん、とかって持ち上げられ、ノリと責任感で神輿に乗っちゃう系の男子。
控えめで美人な委員長にやたら絡んでいる人気者くん。恋のフラグがヒラヒラとはためいてる、っていう2人。
そんな2人がセットで自分のところにやって来た。
ラノベ小説だったら、完全割愛の一コマ。2人の愛の軌跡において、記憶にも残らないミクロサイズのエピソード、って感じかな。
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