08 楽しいメロディ

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「にしても……  かなりの被害じゃないのか?」  そういったのは勇者コース最強候補のひとり馬神 焔。 「そうね……」  その相方、シエラ・シエルがうなずく。 「まぁ、死人は少ないほうがいいから癒やすけど……」  十三の顔には疲れが見える。 「お前、美神だっけ?大丈夫か?」  焔が十三に尋ねる。 「大丈夫じゃないのはこの子たちだよ」 「でも――」  シエラがそういいかけたとき。  綺麗な歌声が聞こえる。 「♪きっと輝いてる―♪  ♪ずっと輝いている――♪」 「なんだ?このロリボイスは……」  セロが驚く。 「あいうさんの歌声」  シエラが安堵する。 「あー。いつ聴いても癒やされるなぁ」  焔が和む。  十三の疲れが少しずつ取れていく。 「すごい。  なんだろう。  癒やされる」  十三は、そういって気力と体力を取り戻すと。  すぐに次の生徒たちを回復していった。  助かった命はほんの僅か。  助からなかった命が数多い。  回復術を備えているものは十三とその他数名。  助けれる命には限度があった。  しかし、この事件のあと力を増した生徒たちが多かった。  人々はこの事件のことを「灰色の授与式」と呼んだ。
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