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「どうしてですか?
ヒーローかっこいいじゃないですか!」
「……まぁ、色々あるんだ」
「色々って?」
歩が、心配そうに一歩踏み出す。
するとオトネが、充と歩の体を引き寄せそして抱きしめる。
「人には聞かれたくないことが、沢山あるんですます」
「歩は、そんなことひとつもないよ?
みんなで相談したら解決するかもしれないんだよ?」
歩が、そういうとオトネが優しい口調で言った。
「誰にも言えない秘密が出来たとき……
それは、大人になったということなのですます。
まだないってことは、歩ちゃんも充くんもまだまだ子どもってことなのですよ」
「そっか」
歩と充は納得できない表情を浮かべたが聞いてはいけないことだということを理解した様子でうなずいた。
ただ、隼人と愛はその秘密の意味を理解していた。
自分たちも、また誰にも言えない秘密を抱えているからだ……
誰にも言えない誰にも話せない悩み……
そう言う意味では、ふたりは大人であり大人になれない存在だった。
まだ、6歳前後の子どもたち。
セロの悩みを話したところで解決はしないだろう。
だが、セロはその優しさに感謝をした。
「ありがとう」
セロのその表情は、誰よりも優しく。
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