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だってさ、今まで、ずっと、手渡しで渡していたおじいちゃんが、その『幽霊』だっていうんだぜ?
しかも、その死んだ理由が……毎朝、朝刊を楽しみに、門の所まで出ていたおじいちゃんを、ある日、新聞配達員が、寝不足でバイクを運転していた為、門から出て来たおじいちゃんに気付かず、撥ねてしまったらしく。
その時、たまたま運悪く、両足がタイヤに巻き込まれて切断された為、出血多量で死んでしまったそうだ。
僕はもう、全身が足元から、こう……ぶわぁぁぁって一気に粟立つように、寒気に襲われたね。
だってさ、考えてもみてよ。
僕が、おじいちゃんに新聞を直接手渡しで配達してたのって、一年半以上も続いたんだよ?
その間ずっと、おじいちゃんは、新聞配達員の「僕」に恨みを持っていた訳だよ?
だって、そうじゃなきゃ、僕の足の状態の理由になんないでしょ?
ってことはさ……いや。
そんな事よりも、もっと重要な事はさ。
一体、僕が毎朝貰っていた缶コーヒー。
あれって、中身は一体何だったのか?
そう考えると、未だに体の震えが止まらなくなるんだ。
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