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そんな事が数日続いたある日、いつものように四時半くらいにその家に着いたら、なんだか奇妙な感じがして。
いつものように、何も無いのにスーッと門が開くのは同じなんだけど……
何かが違う。
一体何が違うんだろうと、キョロキョロ辺りを見渡したけれど、特に何もない。
”何だろう? 何だろう?”と首を傾げていたら、何かが目の中に入って来た。
いや。
今までも、もしかしたら、見えていたのかもしれない。
けれど、見ない……いや、見えてないフリをしていたのかもしれない。
そう――――
僕の足元に……白い影……いや、白くボヤっとしたモヤみたいなものが、全く動く気配もなく、そこに居たのだ。
それを見た瞬間。
ゾゾゾゾゾゾゾゾ!
背筋が寒くなり、鳥肌が一気に立った。
人間、自分の理解の範疇を超える物を見ると、パニックになるものなのに、いつもの習慣なんだろうね。
きちんと、新聞を郵便受けに入れて、猛烈ダッシュで自転車に跨がり、走らせた。
後ろなんて見る余裕ないくらい、怖くて怖くて。
でも、そんな僕の後ろの方で、あの門が閉る音が……“ガチャン”という音が聞こえたんだ。
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