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距離を取ったのはサルペドンも同様だ。
控えている部下たちを座らせ、自分もマリアの邪魔にならないように、
地面に片膝をついてしゃがみ込む。
さて、マリアは服装を正し、背筋を張る。
しばらく息を整えていると、
左右の掌を胸の前で合わせてお祈りでもするかのような姿勢をとった・・・。
まさに聖母マリアを思い出さずにはいられない。
ただし、彼女は祈りの言葉をつぶやくでもなく、
目を瞑り、
少しずつ・・・少しずつ、
心の中の意識を消してゆく・・・。
それは真っ暗な空間の塊・・・、
虚ろなる世界へと拡がり、
やがて、その世界は、現実の世界へと重なって行く・・・。
意識が外に広がるのか、それとも外の世界が意識の中に流れ込んでくるのか、
それを分類することはあまり意味をなさない。
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