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タケルはゆっくり立ち上がると、周りの木立を薙ぎ払った。
足もとに障害もないかどうか確認すると、
握りしめた天叢雲剣を高々と掲げ、
ゆっくり・・徐々に速度を上げつつ、ひらりと舞い始めた・・・!
「祓いの剣」・・・!
緒沢タケルは、
胸元の紋章と、右手の天叢雲剣の効力により、
その精神力を人間以上のレベルにまで高め、雷撃を放出できる。
それは、マリアが現在行っているような、感知能力とは全く異なる原理による超常能力だ。
雷撃を「動」とするなら感知能力は「静」である。
故に、緒沢タケルが無類の破壊力を持つ雷撃を得意としても、
その対照的な能力である感知系に優れているとは決して言うことはできない。
では、彼が取った手段は何なのか?
それは超常現象とは全く異なる方法・・・、
修行や実戦を重ねた武術家が辿り着く、その道の最高峰の境地に身を置くこと。
祓いの剣は、その舞を繰り返す事によって、
自らの余計な雑念や意識を排し、研ぎ澄まされた精神を以って、
自らの周囲に絶対的な結界を創り出す。
その結界に侵入した者は、
タケルの意識を経由することなく、彼の五感が反応した瞬間、その刃によって切り刻まれるのだ!
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