1人が本棚に入れています
本棚に追加
こいつも・・・。
タケルはかつての出来事を思い出さずにはいられない。
いつかの府中の製薬工場で見たもの・・・。
騎士団の愚者の騎士、日浦義純が案内したこの世の闇で日常的に行われている風景・・・。
異常出生や人体実験、人身売買など、
普通に人生を送っている者ならば想像もできないような世界。
そして一般人は、
彼らのような助けを呼ぶこともできない犠牲の上に、
安心して日々を過ごしてきたことも気づかずに・・・。
やり場のない怒りがタケルの心を覆っていく・・・。
確かにこいつらを生み出してしまったのは地上の人間・・・、
だが・・・だけど・・・。
『タケル?』
サルペドンの無線がタケルを我に戻した。
「あっ、悪ぃ、
サルペドン、それで何だ?」
最初のコメントを投稿しよう!