霞たなびく森

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   ザー・・・ これは滝の音だろうか? 遠くから大量の水の流れるような音が聞こえてきた。 ちょうど斥候から無線が入る。  『この先に高台から落ちている滝があります。  そこには、分厚い木と大きな蔓が巻き付いた橋がかかっています。  大勢が一度に乗っても安全かと思うぐらい、丈夫なものです。』 なるほど、20分ぐらい歩くと見えてきた。 霞の為にそんな広く視界が開けているわけではないが、 天辺が見えないほど高い所から激しい水が落ちてきている。 ・・・そして確かに、前方を見やると、 欝蒼とした植物の世界が、 たたずむ彼らの前に暗く拡がっていたのである。 まるで、スサの一団を手招きしているかのように・・・。  「ここからが・・・シルヴァヌスの森か・・・。」  
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