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そしてメイン。
「じゃーん」
オーブンから取り出され、白い皿に乗せられてきたのは、デミグラスソースがたっぷりかかった手作りハンバーグだ。しかも縦横ともにでかい。
胃袋が怯むのを覚えながら、愛を見上げた。
「日頃の二倍は肉使ったな」
「うん、今日は奮発したわー。食べられるでしょ?」
「まあな。しかし今日に限ってなんて量だ」
すると愛はちょっと困ったように微笑んで、
「長塚愛として出すご飯はこれが最後なんだもん」
お兄ちゃんとの思い出、あとひとつくらい増やしたかったの。
そう小さく言った愛の言葉に熱を帯びる目を伏せて、ナイフとフォークを手にした。
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