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やにわにドアノブに手を伸ばし、扉を開けようと試みる。
だが、非情にも扉は少年の行動を嘲笑うかのように、開くそぶりを全くみせない。
繰り返しドアノブを回す少年の額には、いつの間にか汗が噴き出していた。
それは額だけではなく、半袖のTシャツを湿らすまでにいたっている。
懸命な努力も虚しく、静寂の中で少年の荒い息だけが空間を満たしていた。
悪臭の中、少年はできるだけ空気を吸わずに息を整える。
再び静寂が訪れる。闇の中、少年が一人、扉と対峙している。
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