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少年の身体に鈍い痛みが広がっていく。
"早く、早く扉の向こう側へ.....!"
事態は急変し、一刻も早く向こう側へ至らなければ、取り返しの付かないことになってしまう。
少年は三度、扉を強く叩いてみた。
扉が軋むような音が響き渡る。
それに応えるかのように、向こう側から三度、扉をノックするような音がする。
少年は戦慄した。もうそこまで"ナニカ"が迫っている。
震える指先、身体のそこかしこから噴き出す、先程とは違う汗、全身を駆け巡る悪寒.....
そして悟った。自分は救われることはないのだと。
ー
思えば、少年の過去は勝手なものばかりだった。
学校での遅刻・無断欠席・喫煙・飲酒等。
少年は、つまらない日常に退屈していた。
気がつけば刺激を求める様になっていた。
ー
自分の過去が走馬灯の様に蘇る。
償う気持ちを持ったところで、もう遅かったのかもしれない。
少年は過去を悔い、神罰を受ける覚悟を持った。
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