ただいま、お兄ちゃん

3/20
前へ
/96ページ
次へ
 黒猫天使さんが真剣な瞳を向けてきた。  わかってはいたけど、いざその時になると怖くなってしまう。  こうして猫と戯れてる姿にしか見えないあたし達だけれど、実は屋根の上。  普通ならありえない場所。  あたしもこうなるまではのぼったことなんてない。  ヒヤヒヤする。  まあ、死ぬことはないんだけれど。 「じゃあ、確認だ」  そう言って黒猫天使さんは説明を始めた。  すでに神様から全て聞いていたから、本当に確認だけ。  そのくらい、慎重にやらなきゃいけないことなんだろうけど。ちょっと面倒だな。 「新庄詩月」 「はい」 「会いたいと言っていたのは兄の詩貴。間違いないな?」 「はい」
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

198人が本棚に入れています
本棚に追加