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手紙を書き終え、封筒にしまった頃にお兄ちゃんは帰ってきた。
夏休みが終わったら学園祭があるらしくて、その話し合いだったみたい。
一応、学校生活にも馴染んでるみたいで、あたしは安心。まあ、あの自殺行為が不安なんだけど。
「で? 今日はどうすんの?」
お兄ちゃんは妹を目の前にして、普通に着替えてる。ちょっとは恥じらいとか感じないの?
あたしの方が恥ずかしいから。
「詩月?」
「なんでもないっ!」
着替えてるところを見ないように後ろを向いていたら、怒ったのかと勘違いする裸のお兄ちゃん。
「いいから、早く着替えて!」
「あ、ああ」
シャツに腕を通した音を確認してから、あたしは振り返った。
「で? どうする?」
手ぐしで髪を整えるお兄ちゃんを見上げながら、
「行きたいところがあるの」
あたしはそう告げた。
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