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「傘、2本あるので使ってください」
ビニール傘を差し出し、お兄ちゃんはありがとうと言い、それを素直に受け取った。
そして何気なくあたし寄りに傘をさす。
親切な彼は新しい傘を開く。
そして、やっと気づいた。
傘で見えなかった顔が露になって、あたしは嬉しくなる。
「翼くん」
お兄ちゃんはびっくりしてあたしを見つめた。
あたしは立ち上がって、お兄ちゃんに頷いた。
「彼が翼くんだよ」
ずっと待っていた翼くんだ。
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