198人が本棚に入れています
本棚に追加
――――
やっと落ち着いたお兄ちゃん。
でもやっぱり信じられないみたいで、泣き止んだ後は無言。
「お兄ちゃん、詩月です」
話しかけてみる。
お兄ちゃんは様々な場所をつねり始めた。
「いやいや、ほっぺつねっても夢じゃないし、お兄ちゃんもおかしくなったわけじゃないからね?」
なぜかあたしまでつねられた。
「痛……くは、ないみたいよ?」
「マジか! 幽霊に触れる! つーか、寒っ!! いや、おかしいから。おかしいからっ!!」
ドアの向こうに姿を消してしまったお兄ちゃん。
「待ってよぉ」
実はあたし、今動けない。
お兄ちゃんにだけ姿が見える魔法みたいなのをかけて、この部屋に来たんだ。
まさか自殺する瞬間だとは思わなかったけれど。
最初のコメントを投稿しよう!