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「ソノは飯山さんに気持ちを伝えたんでしょ?」 「はい…」 「返事は?したの?」 「………いえ」 「そっか…」 園部さんのことを想う気持ち……。 この気持ちは好きという感情で間違いないのかな…。 危険な目から救ってくれたヒーローに憧れているだけだとしたら? ただ単に“吊り橋の効果”なんじゃないのかな……。 何も起こらずに平穏な生活の中で園部さんと一緒にいることが退屈に思えたりしない? “吊り橋の効果”から始まった恋は、長く続かないって聞いたことがあるし……。 「飯山さんが考えてること…なんとなくわかるけど…あいつはイイ男だよ?」 「時々…自分の感情の表現方法を見誤って、直球で体当たりしてくるけどね」 直球で体当たり? 心当たりのある園部さんの言動を思い返してみた。 ********** 「おいで?ヨシヨシしてあげっから」 「何かあってもすぐそばにいるから安心でしょ?それに、暖かいし?…一石二鳥ってね」 「こーやって寝るだけだから…」 「キスしよ?」 「理由?……今……すっげぇエッチな気分だから」 「待ってろ……すぐ行くからっ」 「オレ貴女のことが好きだから」 「貴女のこと…抱いていい?」 ********** 「最後にあんな風にしか言えないようなやつだけどさ、飯山さんのこと、真剣だと思うよ」 「ゆっくり考えて?って言ってあげたいところだけど、仕事に支障出たり、八つ当たりされるのおれたちだからさ、なるべく早くに返事してやってね!」 「はい…」 「近いうち連絡してよ。事務所に遊びに来てもいいし」 「ありがとうございます」 「じゃ、待ってるだろうから、おれたちも帰るね!」 「お世話になりました……」
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