その森に入った人間は二度と出てこれなくなるらしい…。

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…一体の骨が半ば土に埋もれながら木の根元にいた。 その服装からなんとなく女性ということは察しがついたが、それ以上のことはわからない。 「おい、いつまで見ているんだよ。よんだ警察がもうすぐ来るぞ!」 そうして、友人の叫ぶ声に俺は顔を上げると周囲を見渡した。 そこは、ちっぽけな山のキャンプ場。 そこから数メートルも離れていない森の入り口である。 どうしてこんなところに人の骨が、それもこんな目につくようなところにずっとあったのだろう…疑問はどこまでもつきないが、とにかくこの場を離れようと歩き出す。 …そのとき、ぽたりと何かが肩に落ちる。 見ればそれは一本の小枝であった。 俺はそれを軽くはらいのけると、キャンプ場へと顔を向け…そして違和感に顔を歪める。 そこは、うっそうと木々の生い茂る森の中だった。 暗い森の中、むっとするような熱気と草の匂いが鼻をつく。 なんだここは、どうしてここに…? そうして俺は思い出す。 この場所が心霊スポットで有名な場所であったこと、森に入った人間は二度と戻って来られないことに…。 そのとき、もう一度肩に枝が落ちてきた。 しかし、その感触はまるで俺の肩に手を置くように感ぜられた…。
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