第一話 転生

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第一話 転生

第一話 転生 エレベータを待つ間に、バッグから社員証を出し、首にかける。 隣にならぶ社員たちは、イヤフォンをつけて音楽を聞いたままだし、(録音したラジオかもしれない)、挨拶する人もいない。 ただ、上を向いて、エレベータが下がってくることを確認するため、赤い表示をみんなが見ている。 この会社は社員の8割がプログラマーの会社でSNSを作ったり、 ゲームを作ったりしている、明るい人ばかりとは言い難い職場だ (ただし、東大を出てたり、天才プログラマはゴロゴロいる) 7階にあがり、自動販売機(社員割引されていて、安く買える)を抜け 社員証をかざし、ドアが自動で開く。 向かい合ったデスクが一列にならんでおり チームごとになっている。 ぼくのチームは奥の方にあるので、更にすすむ。 「おはようございます」 聞こえるか聞こえないかくらいの声で挨拶をする。 同じチームのメンバーが頷いたり、おはよっす(おはようございますのことだろう) などと返したりしてくれる。 座った瞬間スリープさせていた、PCを立ち上げて いきなり、プログラムを書き出す。 いつもの日常のはずだった。 ーーー いつのまにか、会社ではない、どこかにいた。 「ちわっす」     
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