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私は覚えたての手話で懸命に話しました。どうやら私は左利きなので間違った手話をやってしまうらしいです。A子さんがいつも私の側にいてくれて、それを直してくれました。メチャ急接近って感じでした。
相手の言ってることは全然わかりませんでした。手話できるようになったと思ってましたけど、普段はA子さんが声を出しながらやってくれていましたので、読みとりは苦にならなかったのです。
心なしかA子さんがいつもと違って見えました。しっかりした女性に見えました。手話がいつも以上にダイナミックでした。細く伸びた手の動きがすごく綺麗でした。
話したのは健常者であったり障害者であったり色々でした。健常者同士でも手話で話すのでおかしかった。私と同じように手話にハマってる健常者はたくさんいました。
やがて手話サークルは終わり解散となりました。外に出るとなんとも言えない違和感。一歩踏み出せばそこはもう手話のない世界。彼女はそんな世界を懸命に生きている。
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