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ほとんど聞こえないらしかった。最初は話さないといけなくなったらどうしようかと思っていました。
私はそれまで障害者と接したことがなかったもんですから、どうやってコミュニケーションとればいいんだろうかと思って恐かったのです。
研修ではグループで活動することになっていて、同じグループになったら「やだなあ」なんて思っていました。
やっぱり…。私ってそうなる運命なんです。案の定、同じグループになってしまいました。
でもね、それほど心配することはありませんでした。口を大きく開けて話せば、唇を読んでわかるらしい。それに彼女も小さい頃から話す訓練をしていて一応、言葉は話せます。サ行の発音は出来ないらしくて赤ちゃんみたいな声でしたけど。最初は聞き取りにくかったけど段々わかるようになりました。
難しいことは筆談しました。なんせ、コンピューター業界だから難しい言葉ばかりです。A子さんがわからなそうな顔をしているとすぐにグループの誰かが筆談するようにしました。
いつしか、そのA子さんと話すのがおもしろくなっていました。結構簡単でした。簡単に慣れました。やはり「慣れ」は重要です。A子さんがメチャ明るい子でしたので接しやすかったこともありましたけどね。
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