新人研修の思い出~聴覚障害の女性との出会い~

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 「名もなく貧しく美しく」の主演をした篠田三郎が書いた本でした。(どちらかと言うと東野英心が主演したテレビドラマの方が記憶に残っている。篠田三郎の方は戦後まもなく話だったが東野英心の方は現代版になっていた)  とりあえず五十音を手話で表す方法(指文字)を覚えました。これさえ覚えておけば一応なんでも表現できると思いました。  その内、相部屋の連中も私がやってることに興味を示しだし、いっしょにやるようになりました。風呂で「あ、い、う、え、お!」ってやってたら、他の連中が不思議そうに見ていました。なんせ寮に帰ったら酒呑むしかやることなかったもんですから、そんなことが結構楽しかったりしました。  それから一週間くらいしてから、独学の手話もだいぶん自信ついて来ましたので、そろそろかなって思い、ある日、A子さんに手話を披露して見せました。  そりゃあもう、驚いてました。メチャメチャ驚いました。
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