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空の色した 折り紙ひとつ
不器用な手で折っていく
一折り一折り 祈りを込めて
平和のうたを 口ずさみつつ
窓の向こうは 燃え盛る夏
夾竹桃(きょうちくとう)越し 広がる青に
白い機体が
きらり 光った
また近づいてきた 八月の朝
町の上空(じょうくう)に 落とされた
ひとが作り出してしまった悪魔
その熱線と爆風に殴(なぐ)られた
あるいは
それが生んだ炎に
紙切れ、落ち葉のように燃やされた
あの時のまま
キミは
あの町の 道行く人の足下(あしもと)から
僕と同じこの空を、
今も……
ねぇ
この抜けるような青空は、
あの朝に 似てる?
羽ばたけ折り鶴
さぁ この手を離れ はるか未来まで
今ここで生きてる僕の、
今はこの世にいないキミの
僕等に繋がるひとたちの
記憶と思いを 翼にのせて
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