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第2章 不気味な訪問者
(チャラーン)
その時だった、メールの着信音が一回だけ
鳴り響いた。
「ユリア?」
名前を見てみると一体誰だろうか、思わず
首を傾げてしまった。
10代の少女だろうか、だがどうやって
僕のメールアドレスが分かったのか。
初めて受け取った、知らない女からの
メール。
本名か匿名かは分からない、ひょっとして
成りすましかも?
何か不気味だ、でもまんざら悪い気分でも
無い。どっちでもいいやそんな事、退屈
しのぎにお付き合いしてあげる。
馬鹿にしている訳ではなく、勝手にモテ期
が来たと喜ぶおめでたい自分。
平和ボケも、甚だしいばかりである。
そういう自分は、御年28歳。
そう思いながらふと気がつくと、外では
激しい雨が降り出した。
どうやら雷雨のようだ。
パソコンのお天気アプリでは、一日中
晴天となっていたのだが・・・
取り敢えず、届いたメールを開いてみる。
(久しぶりです、貴方に貸した
500万円を返して下さい)
少しばかり驚いた僕だったが、悪戯と思い
すぐ様返信した。
「貴方は誰ですか?僕には他人からの借金
は、一切ありません!」
イラッとしながら、急いで送信ボタンを
押した。
すると、あっという間に返って来た。
(私は貴方に貢ぎました、お金も肉体も)
「からかうのもいい加減になさい!貴方は
勘違いしてらっしゃる。僕は今まで
女性と交際した事は無いんだ!」
(それでは、童貞ですか?)
「失礼だな君は、アカの他人に言う事
じゃない!!)
ムッとした僕。
「貴方の名前を教えてください」
(坂崎ユリアと言います)
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