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となると、琉があの時、私に近づいた理由がそれとなくわかる
雪への復讐や嫌がらせの類で、
親友になってよ
そんな事を条件にあててきた
二人とも、純粋に私と親密になる気は無かったってことか
わかってはいたけど、私だって多少は傷つくものだ、でも
「話してくれて、ありがとう」
雪の目的は私を利用する事だった
要は、私との関係はこれで終わりだろう
それでも私は雪のおかげで、友達もいるし、彼氏もいるし、高校生らしい生活というものを体験できた
それだけで幸せだったのだ
「ここまでの話だと、俺も琉もシンプルに最悪な奴だな」
少し複雑そうな顔をして笑う
本当にそうだ、なんて人騒がせな兄弟なんだ
「まぁ、でもなんだかんだで良い思い出もあったから私としては、雪がいてくれて良かったよ、ありがとう」
窓の外を見ると陽が落ちていて大分時間が経っていた事を知る
そろそろ帰ろうか、なんて考えていた時
「碧、俺は、きっかけがどうであれ碧が好きだよ」
真剣な顔をして私の目を見つめて、雪はそんな事を言ってきた
「俺、碧と終わらせる気ないけど?」
そう言い続けた雪の笑顔は今までになく冷ややかで、ゾクリとした
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