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「そういえば、優香の彼も野球やってたよね。私は、高校が別だったから優香の彼は見たことなかったんだけど。」
「そうだよ。色が黒くて、歯が真っ白なスポーツマンタイプ。」
「え、本当に?じゃあ、私の彼と同じタイプだ。・・・ねえねえ、ちょっと。前のボックス席、子供がずっと私のこと見てるんだけど。」
「えっ。ほんとだ。」
「ねえ、私の顔、何かついてる?」
「ううん、何も。」
「何かさあ、この店のお客さん、こっちチラチラ見てくるんだけど。」
「恵理子の気のせいじゃない?」
「そうかなぁ。」
「そうだよ。で、彼とは結婚するつもり?」
「まだわかんないよぉ、そんなの。」
「そっか。私は・・・彼とは別れたの。」
「・・・えっ?」
「彼ね、他に好きな人ができたみたいで。1ヶ月前に別れを切り出されちゃって。」
「・・・まさか、その彼の名前って・・・。あ、着信が。ちょっとごめんね、優香。
もしもし、みなみ?久しぶりぃ。元気?どうしたの?泣いちゃって。
何かあったの?え?何?・・・優香が死んだ?冗談でもそんなこと言わないでよ。
自殺?死後1ヶ月経ってたって・・・そんなバカな。だって、私、今優香と・・・・。
あれ?優香?どこ行っちゃったの?」
「ねえねえ、おねえちゃん。一人で何はなしてるのぉ?」
「しぃ!見ちゃだめ!」
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