再開

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「職場から着信が4件も入ってる……」 父は小声で少し焦っているかのような素振りで、仕事先に電話をかけ直しながら、リビングを後にする。 「パパさんなんの電話なんだろうね??」 「知らんわ。どうせまた出張とかやろ」 リビングのソファーに横になりマンガを読みながら、主人公は適当に話を返す。 そんな主人公もまだ16歳の高校生だ。 少しばかし寂しさもあるのだろうか。 あまり父の仕事の話はするなと一言いい主人公はだんまりした。 バンッ!! 「俊樹!!俺出張行くことになったから!」 「へぇ。そーなんや。」 父が仕事の話をする時だけは必ずと言って主人公は父と目を合わせなかった。 「じゃあ話は早いな!雪叶くん俊樹をよろしく頼むよ。」 そう言いながらまたリビングを出ようとして足を止めた。 「あ、俊樹雪叶くんと仲良くするのはいいが、妊娠はさせるんじゃないぞ!」 それだけを言い残し父は荷物をまとめ疾風のごとく家を出ていった。 よく良く考えれば問題発言をしているのだが、今の主人公はそんなことを考える余裕はなかったのだった。
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