0人が本棚に入れています
本棚に追加
「痛てててて……」
雪叶はそう言いながらお尻をさする。
「しーたんお外だと……その……」
雪叶がすべて言い終わる前に、主人公は玄関の中に消えそのまま鍵を閉められてしまった。
その瞬間に雪叶は主人公に外に放り出されたんだと自覚した。
「しーたんの馬鹿おたんこなす!!そんな乱暴な人嫌われちゃうよ!!」
主人公がいないことを分かってはいるものの自分の思い通りにならないと嫌な性格の雪叶は拗ねていた。
ガチャ
「お前うるさいから。とっとと家に帰れ。邪魔やから。後、お前に嫌われても別にいいしじゃあ。」
玄関のドアが開いたと思うと主人公がひょっこり顔だけだし、雪叶に罵倒を浴びせ気が済んだのかまた、家の中へと消えていった。
「うぅ……しーたんなんか嫌い!!それに……お前じゃないもん!」
主人公に罵倒されさらに拗ねた雪叶は誰もいない玄関の方を向きあっかんべーと子供じみた行動をし、ぷいっと自分の家へと帰っていった。
雪叶が家路へトボトボ帰るその頃、シャワーを浴び、自室のベッドに仰向けになり、憂鬱そうにため息ばかりついていた。
「はぁ……明日からほんま憂鬱やわあんな変なやついらんし……」
そう言いながらも疲れが溜まっていたのか主人公はすぐに眠りについた。
-次の日-
「たん……ーたん……おーいしーたん!!」
ほっぺの違和感と、聞き覚えのあるその声に主人公は嫌な予感を感じ、ベッドから飛び起きた。
「えへへしーたんおはよ?」
主人公の嫌な予感は的中していた。
目の前には雪叶が満面な笑顔でベッドのサイドに腰掛け、人差し指を主人公のほっぺにつんつんしていた。
最初のコメントを投稿しよう!