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あの頃の気持ちに(ジュンヤ)
その61続き ジュンヤ
一週間後、ジュンヤは手荷物だけで俺の家を出た。
車で空港まで送っていくと言う俺を眩しそうに見上げて、
「 真名彦さん、ありがとう 」
この一週間でだいぶ聞き慣れた俺の呼び方も今朝はこそばゆい。
向こうでは一軒家を四人でシェアして住むと聞いて、ベッドルームの数だけはきっちりと確認した。
空港に着くと先に来ていた三人に正式に紹介される。
三人中二人は仏頂面で俺に挨拶するのが潤の言っていたジュンヤに横恋慕してる、ドラムとギターだなと直ぐにわかった。
お互い必要以上の力で握手する。
呆れた顔を見せるジュンヤの耳元で、
浮気したら亀甲縛りで逆さ吊りにしてやると囁いたら、
瞳が潤んで口元を綻ばせて吐息が熱くなったジュンヤ。
しまったこいつはマゾだったか……
目の前の横恋慕の獣二匹は欲望丸出しの顔でそんなジュンヤを呆けたように見つめていた。
羽田から飛び立つ飛行機。
「 噛んだ唇の血をもらってく 」
と手を振って出国手続きのカウンターに向かうジュンヤ。
その後ろ姿に続く体躯の大きな男たちを見送りながら、
「 けつ大事にしろよ 」
と馬鹿な事を呟く俺。
さぁ、菅山に押し付ける仕事の整理をつけなきゃならない。
これから一年の忙しい日々。
そして、
来年の今頃、
俺は日本には居ない。
了
お読みいただきましてありがとうございました。
ロックの日に
ここで一旦完結いたします。
今後ドイツ編書こうと思っておりますが、
なにぶん体験集め今からですw
また、よろしくお願いいたします。
超オヤジですから急がないと大変w
絵:鬼夜咲様
Twitter→https://twitter.com/kiyosaku_
pixiv→http://pixiv.me/kiyo-saku
が、ロックの日に の
ジュンヤとカルテットを描いてくださった。このファンアートを頂いてから、決めていました。
ロックの日にの、ジュンヤと青木氏の話。
最後はこのシーンで
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