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ロックの日に
「三枝君
今日はロックの日、らしいから、
僕の家においで」
「は?先生の家に、なぜ僕が?」
とは思いつつ
教頭の誘いにはなかなか異がとなえられない、ましてやおんなじ数学科出身で、以前は指導教諭だった菅山教頭。
「ほかにどなたか?」
「ああ、僕の友だちが数名ね」
「え…菅山先生の、お友達ですか?」
菅山先生は、アラフィフになる俺の務める高校の教頭先生。
この歳で教頭だから、出世は遅かったと言われている。
うーん、確かに、昔ちょっと学生運動しちゃいました系の感じのある人で、でも、ノリが良くて、冗談ばかり飛ばしているから、生徒にはとっても人気がある。
少し白いメッシュの入ってきた襟足の程よい長さのヘアスタイルとか、年の割には足も長くて、ジーパンが似合うとか…ちょいワルっぽいニヒルな感じとか、およそ、いまの高校生にモテそうな素材か?っと思うのだが、
女子生徒が良く騒いでいる会話の中では、評判良いらしい。
「さ、三枝君、聞いてるの?
大丈夫?
怖がんなくても、僕の友達だから、気のいいやつばっかよ」
「は、はあ、今日は部活もないし、8時ごろには上がれそうですが」
「じゃあ、待ってるから 」
あっという間に行くことになった俺。
それにしても生徒の前でも
他の先生の前でも 俺 なのに、なんで俺の時だけ僕なんだろ?
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