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ロックの日に その2
あまり待たせることなく
8時きっかりに仕事を収めた俺は、
教頭先生の車に乗せられて、
行く先は教頭の家だから、確かすごいとこだったな。
代官山とか…マンションなんだろうか?
などと考えてる側で菅山先生は、ボリューム上げて何だかお経みたいな音楽を流し始めた。
「いいでしょ、これ、
ジェネシ◯よ、ピーター・ガ◯ルエルとか知ってる?あっフィ◯・コリンズの方とか?」
「全く知りません」
「へー三枝君は幾つだっけ?」
「43です…」
「なに?僕と8も違う?
イヤーそんなに?」
「はい」
「じゃあ、俺らが高校の時、マジになったプログレ、て言われてもわかんないか」
なぜ急に俺?
あれ?
「菅山先生が高校生のとき、俺は小学生ですね、」
ヒューッと口笛一口吹いて、なにやら楽しそうに曲に合わせてリズムを刻み始めた。
「こういうの、流行ってたんですか?」
「イヤー流行ってたって、あの頃は色々ジャンルで凄い、何つーか、そのロックの全盛期。
俺らはさ.ピン◯フロイドとか、ジェネシ◯に憧れて、バンド組んだのよ。
その頃他によく聞いてたのが、
E◯Pとか、イエ◯とか、」
とめどもなく、知らないグループの名前が出てくる。
横顔を、チラ見すると、意外に優しい切れ長の眼差し。小さなホクロが眦に…
なんとなく、こういうのセクシー?
見惚れてちゃダメだと慌てて、
「バンド、バンド組んでたんですか?」
「そうそう、今日来るのは、元のそのメンバーたち、」
「はあ、」
何故、そこに俺が?
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