第一章 オフィスの罠

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「社内や秘書室で、なにかおかしな動きはないか」 「特にはないですねえ」 「なにかあったら、逐一、俺に報告しろ。  さもなくば、二千万返せ」 「わかってますよー。  なんだか町の消費者金融で借りた方がマシだった気がしてきました」 「そいつらよりは、俺の方が親切だぞ」 「はあ。  まあ、親切ですよね、確かに。  失礼ですが、普段は、そんなに親切な方には見えないんですが、どうして、あのときは、私にいろいろと教えてくださったんですか?」 と言うと、 「たまたま気が向いたんだ。  そして、暇だったんだ」 と言う。
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