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「 …ベチャベチャだ…。 なんすか、これ…」
「っお前の所為だろ…っ」
「…オレの所為すか」
「……っ」
出たり入ったりする薬師の太い指が気持ち良くて、
でも全然足りなくて苦しくて、目尻が濡れる。
はち切れんばかりのそれに触れない薬師に、オレは堪らなくなって瞼を上げた。
「っ触れって…ッ」
「……」
「っ早くいかねえとっ、ゼンが…っ」
「…手が離せないんで、自分でやってください」
「くそ…っ」
オレが自分で扱き出すと、薬師が黙ったまま目を伏せた。
薬師の鼻の頭から汗が一滴オレの頬に落ちて、
顔が、そのままオレの耳の下に埋まる。
ああ、この匂い、好きだな、と、うっかり意識を手放そうとした瞬間、
薬師の鼻が、スンと小さく鳴った。
「…匂いがする」
「……っぁ」
「…足、もっと上げてください」
仮眠室の一人掛け用のソファの上。
ベッドはすぐ目の前にあるのに、突然やってきた発情期に動けなくなったオレをここに座らせたのは薬師。
分泌液で濡れないようにとスーツのズボンを脱がせてくれたのも薬師で、もうオレが何も言わなくても自分の仕事はわかってくれている。
でも今は、
(乳首も触れよ、気が利かねえな! つうかいつもは触んのに、急いでる時に限って触んねえよなバカヤロー!!)
と、心ん中で詰っている。
「薬師…っ、はや、く…っ」
「薬師さあああああん早くううううううッ」
「……」
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