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オメガの匂いは、近くにいればいる程当てられる。
アルファには尚更。
だから一番近くにいるアルファの薬師は、即効性の抑制剤を打っても治まりきれないものがあるらしく。
ヒートを我慢する汗で毎回ドロドロになりながら、
オレが満足するまでいかせた後、自分のをトイレで処理。
オレに付くようになってから、ずっとそれを繰り返している。
「悪かったな、ヤクシ。 お陰ですっきりしたわ」
「…でもまだふらついてんじゃねえすか」
「いや、今日はもう一回抑制剤打って寝る。 足りなかったら自分でやるし」
「…じゃ、明日は」
「お前に頼り過ぎてもいけねえし。 来月また頼む」
「…わかりました」
「これで女でも買ってけ」
ポケットに入ってた千円札数枚を、そんまま薬師の胸ポケットに突っ込んだ。
「……」
薬師の二枚目の顔が一瞬陰った。
「…少なくて悪いな」
バツが悪くて、オレはなんとなく口角を上げる。
それに気付いた薬師が一つ首を振った。
「…いえ、とんでもないです」
「オレもどっかでバイトでもすっかなー」
「いや、それだけはやめてください。 危険ですから」
「……」
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