喫煙所にて

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「断られるようなヘマをするかよ。結婚だぜ?一生そいつを、俺の側から離れねぇようにするんだ。入念に下準備したに決まってんだろ」 「……………いや、普通に付き合えよ……」 「付き合う気だってあったが、そいつが告白してこねぇから仕方ないだろ。オレから普通に言うなんて、癪だ」 「なあ!まずな、島原その子のこと好きなのかよ!」 「好きだぜ、当然だろうが」 いや、全く愛を感じないんだが。 かなり彼女が不憫に思えて来た。癪だなんて理由で……。 パサッと、島原が床に茶封筒を投げた。そこから、数枚の紙が零れ落ち床に散らばる。 そこに視線を落とし……俺は、石のように固まった。 それは、写真だった。 写っているのは。 「早く拾えよ。人が来たらどうする」 俺の頭は事態が理解出来ず、混乱しきっていた。足元の写真から、視線を外すことも、屈んで写真を拾う事も出来ない。ただ呆然と立ち尽くして、島原の含み笑いを聞いているしかない。 「よく撮れてるだろ。それは、長野で撮った奴だ」 その写真には、俺が写っていた。 一糸纏わぬ姿で。 ぱかりと足を開いた俺は、涙でぐちゃぐちゃな顔を真っ赤に紅潮させ、だらし無く唇から涎を垂らしている。 足の間には……これは、なんだ。知識では知ってるが、実物なんか見た事がなかった、アナル用のバイブが転がっている。     
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