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島原が言う通り、島原自身が俺の身体を使って性処理してたとかじゃないみたいだ。
俺だけが陰部を晒して、尻に玩具を入れられていたり、性器から白濁を垂らしてベッドの上でのたうっていたりしていた。
床の写真も集めて、封筒の中に片付ける。
「な、んで、だよ、こんな」
「だから……分かるだろ」
何故か島原は、今更少し照れ臭そうに目元を赤らめた。そして、すっかり短くなった煙草を、指先で摘む。
それを、指先で軽く左右に振って、俺に見せつけてきた。
「もう、吸い終わる。これがオレのプロポーズだ、浅間。返事はイエスだよな」
島原が灰皿の中にそれを捨てると、中に入っていた水で火が消える、ジュッという音がした。煙草の残り香を嗅ぎながら、俺は島原の形のいい指先を見ている。
この手が、俺の知らない内に、俺を……。
「なあ、浅間……お前気付いてねぇのか。煙草吸い忘れてるぜ」
嘲笑う声に、顔を上げる。
島原は壁に凭れて腕組みをして、にやにやと勝ち誇った笑みを浮かべていた。
「一本吸い終わるまでは、返事待ってやるから」
分かりきった答えを先送りにする為に、俺は震える手で煙草を一本取り出す。
怒りと、恐怖と、驚愕と……身震いするような歓喜に包まれて、俺は甘い煙を吸い込んだ。
全部、島原の計算通りなんだろうな。
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