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ただ最近リオネルに婚約者の話が出ているのを聞いて、そろそろ僕もこの世界でどう生きて行こうか考えるべきだなと思ったのだ。
婚約者との仲を深めるには、僕はあまりリオネルの傍にいない方が良いだろうと思ったのだ。
それに、僕がいなければ一人で無茶な遊びをしてもつまらないだろうし。
しかももう一つ思う所が僕には会った。
つまり、それまではちょっと調子に乗って、“色々と”やりすぎた。
で、でも若気の至りという物があると思うわけで、僕は英雄としてこの城周辺や一部では顔や名前すらも知れ渡っていた。
それが窮屈で、だから、そろそろ平凡になるために、王宮の客人ではなく扱われたかったのだ。
さらに付け加えるなら、こういったファンタジーな世界の学園にも通いたいという気持ちも僕にはあった。
だからリオネルには内密に事を進めて……僕は、魔法使いの科目がある、この国ではあるけれど辺境の魔法学園に入学することにした。
正確には試験を受けに行く、だが。
その筆記試験に合格すれば、見かけ上、魔力が“ゼロ”の僕なので、最弱魔法使いとして通るはずなのだ。
いつもは剣などの武器を扱っていたので、剣士としての英雄として僕は知れ渡っている。
だからきっと魔法使いになれば、そこらにいる一山いくらなレベルの魔法使いと思われて、英雄扱いなんてされずに普通の魔法学園生活を送れるはずなのだ!
ここまでして、都市から離れた場所であれば僕を知っている人は(多分)誰もいない!
“ロディア魔法学園”。
ここで僕は新しい自分へと生まれ変わる!
そんな決意をした僕だが、そこで試験会場に続く入口の所で見覚えのある人物が立っている気がした。
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