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僕は自分の気持ちに正直になり、大きく頷いた。
リオネルがそんな僕に微笑みながら、
「よしわかった。この俺が、全力でルカを目立たせてやる」
「な、なんで!」
「いや、ルカの才能を埋もれさせるのはどうかなと思って」
「い、要らないよそんなお節介! こ、こうなったらリオネルだけでも都市に今すぐ転送を……」
僕がリオネルを都市に転送しよう、そう考えた所でリオネルが僕の手を握り、
「本当に俺がルカの傍にいると迷惑か?」
などと、イケメンが悲しそうに僕にうったえかけてくる。
一応親友で、昔から大好きな相手でも会ったのでこうされると僕は、リオネルに逆らえない。
僕はリオネルに“甘い”というが、他の人だって甘いわけで、えっと……。
「うう……そんな事はないよ」
「そうなんだ、よかった~、もし迷惑何て言われたら……」
「言われたら?」
僕はうんざりしつつも聞き返すと、その時一瞬リオネルが冷たく嗤った気がした。
えっと思ってよく見るも、リオネルはいつものような笑顔でいるのみで、どうやら僕飲み間違えだったようだ。と、
「どうしようかな~、まあ、そのとき考える。あと、そろそろ行かないと試験が始まるな」
「! もうこんな時間、行かないと!」
こうして僕とリオネルは、この学園の試験に向かったのだった。
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