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リオネルが楽しそうに笑いながら僕に言う。
それに僕が、
「確か、魔王は、長い時を経て、勇者、お前の血を倒すだろうと予言をして倒されたんだっけ。そして……」
「そう、僕は勇者の家系なんだよね。だからもしも何かあった時は、ルカが守ってくれないかな」
リオネルが僕に言う。
リオネルというか、この王家自体が勇者の血統なのだそうだ。
ちなみにこの王家にはお妃も王子も、リオネルとその母以外にも何人もいる。
ただ僕が思うに、
「リオネルは僕が守らなくていいくらい強いじゃないか」
「えー、お嫁さんに薄情だなルカは」
「……僕よりも背が高くてイケメンなリオネルが、何を言っているんだ」
そう僕が言い返すと、リオネルが困ったように苦笑した。
この前、十四歳の誕生日を迎えた僕だが、リオネルは昔の美少女のような可愛さは完全になくなり、僕達の天敵のようなイケメンになっていた。
それに過去の、子供の頃の約束が守られるわけがないと思う程度に大人になっていた僕は、リオネルのその“冗談”を受け流し、一番の“親友”としての立場を手に入れていると思っていた。
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