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事故前まで使っていた携帯も木っ端微塵に粉砕されてしまったようで、縁のある人たちの連絡先を復旧させるのも大変だった。
こんなことなら、もっとマメにデータをバックアップしとくんだった、と悔やまれる。
生きていられただけでも幸運だったと思うしかない。
ーーーーでも。
なんだろう。
ポッカリと胸に大きな穴が空いたような感覚が消えなかった。
ふとした時に頭の中で過ぎる人影。
その顔を確かめようと手を伸ばすと、決まってズキンと頭に痛みが響く。
そこで幻影は終わる。
あれは一体誰なんだろう?
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