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今まで振られたことなんてないと言わんばかりの自信満々の瞳。
年は同い年で、話も合う。
背中まで伸びるストレートの黒髪は艶やかで、いわゆる美人な彼女はスタイルもいい。
確かに悪い話じゃない。
「……早穂さんにはいないんですか?そういう人」
「今はあなたに1番興味あるわね」
ふふっと笑って、僕の腕に彼女は手を伸ばし
店の脇にある細い路地へと僕を連れて行く。
そして振り向きざま、妖艶な微笑みを携えて
僕の目の前に紅い唇が飛び込んで来た。
とっさのことで避けきれず、僕はそのまま彼女のキスを受け入れる。
触れた柔らかな唇。
絡められる熱い舌。
積極的な人だな、と頭の片隅でぼんやり考えていると
またあの人影が脳裏に過ぎった。
やはり顔は見えないけれど、今までよりもハッキリと輪郭が映し出され
それが女性だという事が分かる。
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