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わたしは日焼けで真っ黒だし、
性格も決しておしとやかではない。
「どうかね。意外にどエロ女王様みたいなのがタイプかもよ?」
「……陸、わたしの中の彼のイメージを壊しにかかってるでしょ」
「だーって、なんか凪沙に似合わねー雰囲気だし。お前、あーゆうのタイプじゃなかったじゃん。どちらかというと俺みたいな軽いタイプと付き合ってただろ」
自分で軽いとか言っちゃってるし。
まぁ陸は軽いといってもそれはノリの話で、女の子に軽いわけではない。
「そうだったんだけど。なんでかなぁ。
カレー誉めてくれたからかな。嬉しかったんだよねすごく」
たったそれだけなのに
通ってくれる彼の顔を見るのがいつの間にか楽しみで仕方なくなっていた。
来ない日はあからさまにどんより気分が沈んだ。
まるで初恋中の中学生みたいな感じだ。
20才を過ぎてもそんな初々しい感情を持つことになろうとは。
「あーあ。告白もしないうちに振られた気分だよ。
わたしもう帰るね」
そう言って、立ち上がろうとするわたしに陸が手を貸してくれる。
よいしょ、とその手に頼って立ち上がると「あ」と陸が声を漏らした。
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