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昨今、心の病にかかるサラリーマンは五人に一人あるいは三人に一人だとも言われている。もちろん半数以上は潜在的なものだ。しかし、何か異常なものを感じる。
ほとんどの人間が会社という組織に隷属していなければ生きていけない世の中。自分の置かれているサラリーマン社会が当たり前だと思って毎日を過ごしている。しかし、もしかしたら、異常な環境に置かれているにもかかわらず、そのことに気付いていないだけかもしれない。いや、気付いていたとしても、「そういうものなのだろう」という、一種の諦念に心が汚染されてしまっていれば、異常な状態のまま人生を送り、知らないうちに心は壊れてしまう。
この物語は今の当たり前のように回っている世の中に小石ほどでも良いから疑問を投げかけたく書き下ろした。異常な世界を正常な世界だと思い込んで生きているひとがこの荒唐無稽な物語を読んで何かを感じてくれれば良いと思う。
2032年12月某日
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