耳ふさぎ

コウタくんが自殺した。

いじめが原因だ。

クラス全員でコウタくんを無視していた。

いわゆる村八分と呼ばれるもので、コウタくんが真面目すぎるのが原因だった。

ぼくたちはいつからか、自分たちに馴染まない者を排除するすべを覚えるようになった。

ぼくも人のことは言えない。

コウタくんをかばうことができずに、ただ彼がいじめられるのを黙って見ていた。

コウタくんのお葬式の日。

ぼくを含むクラス全員でお葬式に行った。

コウタくんのお母さんが半狂乱で泣いていた。

それを見たクラスの何人かがクスクスと影で笑う。

ぼくは臆病だ。

それを見ても声をあげることができない。

正義なんてマヤカシだよ。