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「・・3年生?」
「そう、梨蘭ちゃんは入学したばっかりで僕のこと、知らないでしょう?一応、この学校一のイケメンて噂の綾小路千聖だよ」
・・知らないよ・・・ナルシストか?
あたしは、お昼休みに屋上へ呼び出しを受けていた。
この、自称学校一のイケメンとやらに。
「・・それで、綾小路先輩、私にどういうご用件ですか?」
「単刀直入に言うね!僕、梨蘭ちゃんに一目惚れしちやったんだ、僕と付き合ってもらえないかな?」
「・・・・・」
単刀直入過ぎだ・・・ナルシスト男の後ろには友人なのか家来なのか二人の男子生徒が控えていた。
「僕くらいの男には梨蘭ちゃんみたいな可愛いい子じゃないと釣り合わないと思わない?今まで梨蘭ちゃん程可愛いい子見たことないよ。きっとこれは運命だと思うんだ」
・・思わないよ・・・確かに美形だけど、ちょっと・・イタそうだ。
「あの・・私、綾小路先輩のこと良く知ら――」
「大丈夫!梨蘭ちゃんのことちゃんと調べたから。梨蘭ちゃんのお祖父様てフラスで大きな葡萄園、経営してて世界でも有名なワインを製造してるんだよね!それに爵位も――」
・・煩い!あたしの米神が、ぶちっとキレる音がした・・・次の瞬間、ナルシストの胸ぐらをを掴んだ、
「うるさ――むぐっ」
超特急であたしの口は誰かの手で塞がれ、ナルシストの胸ぐらをを掴んだ手も引き剥がされ、身体も誰かによってナルシストから引き離されて後ろから抱き締められていた。
「すいません!綾小路先輩その話し、梨蘭にはタブ―なんです!」
乙夜だった・・・あたしの身体を抱き締めているのは恭丞のようだ。
二人はナルシスト男にあたしが、呼び出しを受けて屋上に来るとき、あたしの親衛隊として屋上の入り口で、控えていたのだ。
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