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――said伊織―― あ~・・かったるい。 俺の登校時間は、だいたい2時間目か3時間目からと決まってる。 夜遊びのし過ぎなのは自分てもわかってる。 夕べも一番だちの志紀(しき)とバイトが終わった後、クラブでナンパされた女たちと朝方2時まで遊んでた。 ・・夕べとはいわないか?・・志紀とは幼馴染みで付き合いが長い分、気が合う・・・大抵、志紀と連るんでる。 志紀は俺とは違う高校へ通ってる・・家庭環境の違いって事で高校は別々になった。 志紀の家は母子家庭で授業料の負担の軽い公立へ進学した。 俺の家は父親が曾祖父の代から経営してるレストランを引き継いで、父親の代でだいぶ事業を拡大して、今では国内外併せて80店舗程の大型チェ―ン店を経営してる。 父親の方針でエスカレータ―式で大学までいけるこの学校に有無を言わさず入学させられた。 金にも女にも不自由してない・・最近、女遊びにも飽きてきた。 どの女と寝ても反応は皆・・・同じで・・面白くもなんともない・・退屈だ・・・・ん? いつも俺は・・・2年の俺の教室のある棟へ行くのに近道する為にこの裏庭を通る。 なんか・・・いつもは見ないものが噴水の横の芝生に・・いた。 それは・・・細くて綺麗な四肢を思い切り良く広げて芝生の上で・・眠ってた。 長い髪が芝生の上に散りばめられていた・・・はじめて見る色だ・・シャンパンゴ―ルド? 珍しい髪色だった・・・キレイだ・・・地毛・・か・・?・・思わず俺は・・・触ってた。 絹のように細やかで柔らかかった・・・顔に目をやると――! 嘘だろ・・・こんなキレイな人間・・見たの・・初めてだった。 閉じられた目元は髪と同じシャンパンゴ―ルドの長い睫毛に覆われていた。 鼻のかたちも唇のかたちも品良く整っていて・・・まるで人形だ。 肌は陶磁器のように白く・・透き通ってた・・・俺は思わずソイツの顔に触れてた。 初めて見るソイツにすっかり見惚れてた・・・何年生だろうか?・・こんなキレイな子なら噂になる筈だ・・・・あ! 俺は1週間程前の教室での会話を思い出した。
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